本日は先週に引き続き、’67 Bronco “Baja” Roadsterのレストアプロジェクトをご紹介します。
ブラスト処理によって古いペイントが剥がされた後、下地となるグレーにペイントされた’67 Bronco “Baja” Roadsterです。
先週からペイントに向けての下地作りが開始されました。
こちらはドライバーズサイドのリアフェンダー部分です。”Baja” 仕様のためフェンダーはカットされていますがパネル自体はフラットでとてもソリッドな状態です。
フロントフェンダーパネルも良い状態です。大径タイヤの干渉を避けるために1stオーナーによってカットされたホイールアーチのフロント部分は、この後、補強する予定です。
傷んでいることの多いテールゲートも腐食はなく、目立つ凹み等もない状態です。
唯一、修正が必要だったのが、ドライバーズサイドのロッカーパネルです。1stオーナーがシエラネバタでのオフローディングをしている際に痛めたのでしょう。
ローカーパネルを取り外し、修正を加えていきます。
引き続き、”Baja” Roadsterのレストアプロジェクトをご紹介してまいります。
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一方、ボディが下ろされたシャシーはN氏の工房に収まり、バラし作業が同時進行で行われました。
フレームにはファクトリーで書かれた落書きが残っており、このシャシーがノンレストアであることが確認できます。腐食もなくとてもソリッドな状態です。
そしてN氏によってフレームだけの状態にまでバラされました。
不要なボルト穴を埋める作業が行われた後、ボディ全体にブラスト処理が施され、更にレストア用のシャシーに載せ替えられた’67 “Baja” Roadsterです。再びボディショップへと戻って来ました。
フロアパンを始め各フロアパネルはとてもソリッドな状態です。製造から既に50年以上が経過したオリジナルパネルということを考えると、エクセレントコンディションと言えると思います。
ファイアーウォールパネルもマスターシリンダーからの液漏れによる腐食なども一切無く、とてもクリーンな状態です。
ドライバーズサイドのリアフェンダーパネルや、
フロアパネルも同様に穴埋め作業を行っていきます。
社外品のシートを取り付けたり、センターコンソールボックスが追加された痕跡を見て取ることが出来ます。
錆一つないフロアパンを見るとこの個体の状態の良さを改めて確認することが出来ますね。前オーナーによって塗られたメタリックブルーのペイントがコーティングのような役割を果たしていたのかもしれません。
先週からボディワークに向けて各パーツの取り外し作業が行われている”Baja” Roadsterです。
ラジエターが外され、バッテリーなどの電装パーツが取り除かれました。
配線が外された状態のインナーフェンダーエプロン部分です。とてもソリッドな状態を保っています。

レストアを担当するノーザンカリフォルニア在住のN氏の工房に収まった、”Baja” Roadster、まずはボディパーツを外す作業からスタートしました。
まずは全てのシートが外され、ロールケージが外されました。そしてカーペットが剥がされフロア上に何も無い状態となりました。そしてRoadster特有のパーツである、左右のファイバーグラス製ドアインサートが外されました。
先週までにこの”Baja” Roadsterがオリジナルオーナーの元に納車され、多数のShelbyパーツとStroppeパーツが組み込まれ、”Baja” 仕様へとモディファイされた過程をご紹介しました。本日はその後の”Baja” Roadster についてです。
モディファイを終えた”Baja” Roadster は1stオーナーによって、彼の妻や家族、友人らと共に数年間の間、シエラネバタやSo Calデザートの4wheelアドベンチャーに持ち込まれました。様々なローケーションでオフローディングを楽しんでいたのです。今でこそ普通ですが、1967年の時点ですでにブロンコはこういったアウトドアライフのツールとして使われていたのです。元祖SUVと言われる所以です。
その後、1970年に1stオーナーはNorthern Sierrasに位置するQuincyという町に引越し、地元のフォードディーラー、Quincy Motor Salesにパーツマネージャーとして就職しました。
引越すとすぐに彼は雪の降るノーザンカリフォルニアの気候が”Baja” Roadster に適していないことを悟り、ファイアーウッドを積めるピックアップトラックへの乗り替えを決意し、この”Baja” Roadster を同僚のQuincy Fordのセールスマネージャーへと売却したのでした。
現在でもこの”Baja” Roadster がQuincy Fordのライセンスプレートフレームを付けているのは、Quincy Fordのセールスだった2ndオーナーによって取り付けられたためです。もちろんこの”Baja” Roadster がデリバリーされたCALIFORNIA MOTORSのフレームも保存されていますが。2ndオーナーは暫くすると、QuincyからSanta Cruz,CA へと引越し、サンドバギーの聖地であるPismo Beachを頻繁に訪れるようになりました。その頃、この”Baja” Roadster は2ndオーナーによってフロントアクセルがDana30からより強いDana44へと換装され、Headersやトラクションバーなどが追加されるモディファイを受けています。
’80年代に入ると2ndオーナーはSanta CruzからEtna, CAへと引っ越しました。この頃になると”Baja” Roadster のペイントは色褪せ、ソフトトップは劣化して解れてしまったことから、彼はハードトップを載せ、リペイントすることを思いついたのです。こうして”Baja” Roadster にはハードトップが載せられ、何故、このペイントスキームが選ばれたのかは定かではありませんが、メタリックブルーとグレーのツートン、即ち、現在の状態へと姿を変えたのでした。
その後、数年の間、この2ndオーナーのガレージに眠っていた”Baja” Roadster はフロアパンに錆一つないソリッドな状態を保ったまま、3rdオーナーに引き継がれ、姿を変えることなく、2016年に私共の元へとやって来たのでした。
レストアプロジェクトをスタートさせるにあたり、今回は改めてこの個体のストーリーをご紹介したいと思います。まずはこの個体が何故、”Baja” Roadsterと呼ばれているのかについてご説明します。この個体のオリジナルオーナーは、Cort Fox Ford、現在のHollywood Fordのパーツマネージャーでした。彼は’66年式のブロンコを試乗した際、170cidストレートシックスエンジンの非力さに落胆し、ブロンコの購入をためらっていたそうです。そんな折、289cidのV8エンジンがオプションで設定されたことを知った彼は資金を貯め、1967年4月にこのブロンコをGlendale, CAのCalifornia Motorsでオーダーしました。
なぜ自分が勤務していたCort Fox Fordではなく、California Motorsでオーダーしたのかですが、知り合いだったCalifornia Motorsのフリートマネージャーが自分の勤務先であるCort Foxよりもより良い条件を提示したためだったそうです。
オーダーから2か月後の1967年6月、オリジナルオーナーはCalifornia MotorsでこのBronco Roadsterを受け取るとすぐにオーダーしておいたShelby Hipo 289 Partsを組み込みました。その内容ですが、インテークマニホールド、ヘッド、キャブレター、エアクリーナー、バルブカバーなどです。記録によるとその時のオドメーターはたったの50マイルだったそうです。要するに新車時にFordのディーラーマンによってエンジンがハイパフォーマンス化されていたのです。
彼はエンジンのハイパフォーマンス化が済むとすぐに、このブロンコをHolman and Moody-Stroppeのショップへと持ち込み、15×8のスティールホイール、ゲーツコマンドタイヤ、フェンダーフレア、ロールバーなどを装着しました。オフロードレーシングの創成期とも言える1967年に、その後の1971年に発売されるBaja Broncoとほぼ同じスペックのカスタムが施されていたのです。以上がこの個体が “Baja” Roadsterと呼ばれる所以です。この個体の特筆すべきは、新車時に装着されたShelby製のHipoパーツやStroppeのパーツがすべて保たれていることで、Baja Broncoマニアの間では伝説のRoadsterという位置付けを獲得しているほど貴重な個体となっています。
装着されているステアリングホイールもHolman and Moody-Stroppeのショップで取り付けられたもの。1967年当時はパッドではなくラバー製のステアリングホイールでした。


















